アイヌ民族のジャズ歌手の死

朝刊で、観た映画「TOKYOアイヌ」で歌ったアイヌ民族の歌手熊谷たみ子さんが今年の一月に亡くなったことを知った。映画のエンディングで彼女がアイヌ語で歌う「アメージング・グレース」は、忘れられない、ものがなしい歌であった。
映画『Tokyoアイヌ』は、子どもの時からいじめや差別に会い、東京に出ても自分がアイヌ人であることを隠している人が多い中でも、自分がアイヌ人であるというアイデンティティを表明する人たちを描いたドキュメンタリーである。わたしが観た映画の会場には、お客は5人だけのさびしさが漂う上映だったが、出演者たちの力強さを感じた。
彼女がガンを患い余命1年と宣告され、先住民の精神文化を見つめなおし、最後までステージに立って、その文化を伝えようとした。亡くなったのは、60歳・・・。
記事を読んで、彼女が定められた運命まで、笑顔を絶やさず自分たちの文化を伝えようと一生懸命がんばったことに感動した朝だった。自分の命の炎が消え去るまで、社会の中でしっかりと生き続ける人たちには、頭が下がる思いである。