丹下左膳

子供の頃、親戚の人に映画館に連れられて、大友柳太朗が演じる『丹下左膳』の映画を観て、すごくおもしろかったことを覚えている。そのあと、いつも街角にかかっている『丹下左膳』の映画の看板を観るたびに映画を観たいなあとおもったが実現しなかった。

昨夜、家で大河内傅次郎が演じる『丹下左膳』のDVDを観た。大河内は歌舞伎役者だから、きっと演技が堅苦しいものと思っていたが、まったくそれはまちがいだった。丹下左膳はまじめであるが滑稽な人物であった。また、藩主の道場主もたいへんユーモアにあふれた演技であった。丹下左膳も居候だし、喧嘩も好きで、子どもを可愛がる人情のあふれたところは、寅さんそのままだ。寅さんが最後まで日本人に好かれたところは、丹下左膳からきているのではないかと思う。映画は白黒であったが、まったく気にならなくほんとうに最後まで楽しめることができた。それから、女将のいきな小唄がやけによかった。映画を観たあと、なぜだか幸せな気分だった。

映画名「丹下左膳餘話 百萬両の壺」